落語 忖度

おいおい！はっつあん聞いとくれよ。

どしたい熊さん。

隣の、武坊がよー。
人の言う事を信じねーんだよ。

おお。

それでよー。
そうなると困ることになるみてーんだよ。

どっかの宗教の勧誘か？熊さんよ。

おめーもか、オメーも信じねーのか？

いやいやジョーダンだよ。熊さん。ジョーダン。

ジョーダンは顔とバスケにしとくれよ。
ナイキと！

何言ってんだよ熊さん。

いやなー、おらー、みれーから、
来たんだけどもな。

武坊を信じさせねーと、
みれーの地球があぶねって話でよー。

ますます怪しくなってきたぞ！熊さんよー。

まあ、最後まで話聞いてくれよ。はっつあん。

まずは、あの武坊に人の話を、信じさせる事を、
手伝ってくれねーか？

無理だね。

お、無理か？

おーよ、無理よ。

このめーよ、あいつに、明日は晴れるなと、
言ったらよ、信じねーしよ。
地球は周ってると言っても、信じねーんだよ。

そりゃちと、難しかったんじゃねーか？

もっと、手短で、わかりやすい、話でよ、
信じさせてみよーじゃねーか。

例えばよ
酒はうめー

とかよ

そりゃ、ダメだ、
あいつ下戸だ！

そうかい。
じゃあ、
こりゃどうだい！

米は白い！

それもダメだ。
あいつんち、
きいれーんだよ！

はなからきいれーんかい？

しゃーねーな。

どうすっかなー、、はっつあんよー。

（と、話してる所に当人登場）

おおお、武坊がこっちに来たぞ。
ここは、あわてちゃなんねーな、
どどど、どーするよ、はっつあん？

まずはな、いきなり本題にいっちゃいけねー、
怪しまれて帰っちまうからな、熊さんよ。

おお、そうだな、はっつあん。
やってみるよ。

あなたは、神を信じますか～？

おいおい！いきなり怪しいぞ、大丈夫か。
よりによって、その言葉は！

「まあ、信じたり、信じなかったり」

おいおい！話に乗って来たぞ、熊さんよー。

じゃあ、信じる時と、信じない時を、
教えてくれよ武坊！

「まあ、道を歩いてるわな
　急に、腹が痛くなる
　近くの厠へ走り込む
　すると
　ちょうどいい具合に紙がある。

　そん時は、神さんはいるんだなーと、
　ホッとする」

そりゃ、出たからだろ！

「で、紙がねー時は
　どっちのカミもいやしねーなと
　へこむわな」

こりゃ、チリ紙の話だな。
熊さんよ～。手ごわいぞ！相手は！

はっつあん、ここは、まず、
外堀から埋めよう。
いきなり本丸は無理だ！

そうだな。熊さん。

「おいおい、何話してやがんだい
　おめーら
　外堀だの、本丸だのと、
　物騒な話

　見てみろ、戦なんかもうねー時代よ
　何を言ってやがんだい
　
　それと、くだらない話してる
　オメーら見てると
　平和そのものだろ」

へい。

「だろ。みれーの地球も平和だなこりゃ」

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サトニイまで。